睡眠は健康や美容に非常に重要であることは良く知られていますが、実は白髪にもかなり深い関係があるのをご存じでしょうか。
寝ることでできる白髪の予防と、増やさないための対処法として、睡眠不足の解消と、質の高い睡眠を確保することが挙げられます。
年齢を重ねるにつれて気になりだす白髪ですが、白髪が増える理由は加齢ばかりではなく、普段の睡眠不足や睡眠の質の低さが関係あるかもしれないのです。白髪と睡眠不足の関係性についてまとめました。
睡眠不足だと白髪が増えるのはなぜ?
まずは睡眠不足と白髪はどのような関係にあるのか、どうして睡眠不足だと白髪が増えてしまうのかについて見ていくことにしましょう。
忙しい毎日の中で十分な睡眠時間を確保できていない人ほど、白髪が増えやすい頭皮環境や髪の毛の状態になっています。
成長ホルモンの分泌が減少するから
まず睡眠不足に陥ると成長ホルモンの分泌量が減少してしまいます。
実は成長ホルモンは、睡眠中と運動後だけに分泌される性質のホルモンです。
そしてこの成長ホルモンは、体のさまざまな細胞に作用し、新陳代謝を促すホルモンでもあります。
成長ホルモンによる細胞分裂はメラニン色素を作りだす工程においても非常に重要で、毛母細胞にも働きかけ、メラニン色素が寝ている間に生成されることから、睡眠が不足すると髪に色がつかず白髪として生えやすい状態になってしまうのです。
血行不良になるから
さらに睡眠不足には、全身の血行を悪くしてしまうデメリットもあります。
リラックスしている時や寝ている間に働く副交感神経には、血管を拡張する働きや色素細胞であるメラノサイトに栄養供給する働きがあります。
しかし睡眠不足に陥ってしまうと、こうした神経の働きのバランスが崩れ、自律神経のコントロールが十分できなくなります。
その結果血行不良が引き起こされ、血液を通して頭皮に栄養分が行き渡らなくなって毛根の状態も悪くなり、白髪を増やす原因となってしまうのです。
白髪予防のためにも7時間以上の睡眠を
こうした睡眠不足による白髪の原因を防ぐためには、最低でも7時間以上の睡眠が望ましいといえます。
毎日7時間以上の睡眠を取るという事は、それだけで成長ホルモンの分泌を促進させることができます。
さらに自律神経のバランスを整えて全身の血流アップにもつながります。
しかし残念なことに、日本人の約4割近くが平均睡眠時間6時間未満といわれています。
日本人の半数近くが睡眠不足に陥っているというデータと、睡眠負債という言葉が最近よく取りだたされているように、睡眠不足は百害あって一利なしということが言えるでしょう。
仕事などで慌ただしい日常を送っていると、自分の体の事を考える余裕がなく、回復しきれずに疲労をため込んでいる場合が多いものですが、私たち日本人は意識して睡眠を多くとる必要があるのです。
十分な睡眠は、免疫力を高めることにもつながります。
質の高い睡眠って?
さらに十分な睡眠時間の確保に加え、質の高い良質な睡眠を取る事も大切だといえます。
睡眠の質は、成長ホルモンだけではなく、女性ホルモンの分泌にも影響すると言われています。
質の高い睡眠を取るために気をつける事は、睡眠のコアタイムといわれる0時~6時に眠りに入っているということです。
以前は22時~翌2時までのゴールデンタイムが睡眠にとって重要と言われていましたが、最近では睡眠の研究によって認識が変わってきています。
「睡眠のコアタイム」に寝ていること
この睡眠のコアタイムに寝ていることが重要なワケ、それはその時間帯に成長ホルモンをはじめ、メラトニンなどのホルモンが効率よく分泌されるという理由からです。
ターンオーバーを促し、髪の毛の育成やメラニン生成に必要不可欠な成長ホルモンや、良質な睡眠やホルモンバランスの調整のためのメラトニンをしっかりと分泌させたいのであれば、この睡眠のコアタイムの時間帯にしっかりと眠るようにしましょう。
はじめの3時間をぐっすり眠ること
睡眠のコアタイムといわれている深夜0時~朝の6時までの間でも、かなり重要なポジションを占めているのが寝はじめの3時間となります。
この初めの3時間の睡眠の導入の仕方によって、その先の睡眠の質や深さが決まってきてしまうからです。はじめの3時間の睡眠が深い眠りでぐっすりと寝ることができるような工夫をしてみましょう。
規則正しい睡眠サイクル
毎日しっかりと眠るため、睡眠のコアタイムに充実した眠りを確保するためには、良質で規則正しい睡眠サイクルを作りだすようにしましょう。
気をつけるべき事としては、まず平日も休日も同じように朝起きることです。休日の朝寝坊や寝だめは睡眠のリズムをつくることができなくなってしまいますし、寝すぎてだるくなるなど、睡眠サイクルの大きな妨げになってしまいます。
日常的に就寝、起床時間を一定に保ち、休日だから、平日だからと起きる時間と寝る時間をバラバラにしないことが望ましいといえるでしょう。
寝つきをよくするためには
ではここからは睡眠のコアタイムにしっかりと眠ることができるように、そしてはじめの3時間の睡眠を充実したものにするための方法をご紹介していきます。
生活習慣の中に簡単に取り入れることができる方法ばかりなので、ぜひすぐにでも実践してみてください。
お風呂は寝る1~2時間前に入る
人間の身体は体温が低下するにつれて眠くなるようなメカニズムにできています。
つまり寝る時にちょうど体温低下が起こるような生活サイクルにすることで、自然と良質な睡眠を確保することができるということになります。
そこで効果の高いおススメの方法が、入浴は寝る1時間~2時間前に済ませることです。
お風呂で温まった後1時間~2時間でちょうど体温が下がりだし、眠りに入りやすくなり、ぐっすりと眠ることができるようになります。
寝室をうす暗くしておく
部屋をうす暗くしておくというだけでも、かなり睡眠への導入、睡眠の質の向上につなげることができます。
室内が明るいと脳が覚醒してしまうため、上手く睡眠に入ることができなくなる上、睡眠も深いものになりにくくなります。
暖色系の柔らかい光の照明や、間接照明にして、さらに明るすぎないこと、うす暗くするくらいでちょうど良いといえます。
ストレッチをする
血行が促進されると、体内では副交感神経が優位になりリラックスした状態になります。
リラックスすることができれば寝付きも良くなり、眠りも深いものになることができます。
つまり血流をよくするという事は、睡眠全体の質を向上させることができると言えるのです。
そこで寝る前に軽くストレッチをしてから寝るようにリセットしましょう。
全身の血行が促進された状態で、睡眠中に髪の毛の育成や健康に十分な栄養素や成分も運ばれやすくなります。
寝スマホやめれば一石二鳥
寝る前にスマホをやめるということも、かなり睡眠の質の向上や良質な睡眠確保のためには有益となります。
実は寝る前のスマホや寝スマホが睡眠の質を低下させ、睡眠不足を招く要因を作りだしてしまっています。スマホをやめることで得られる睡眠の一石二鳥についてご紹介します。
「睡眠ホルモン」メラトニンの分泌促進で老化防止
寝る前にスマホやパソコンを操作したり、寝ながらスマホを見ていると、ブルーライトによって脳が興奮状態になり、睡眠を妨げることになってしまいます。
ブルーライトは、紫外線の次に強いエネルギーを持っています。
通常は、朝、光を浴びると体内時計がリセットされてメラトニンの分泌が止まりますが、ブルーライトは脳を覚醒させ、目を覚まさせるという性質があるため、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられてしまいます。
メラトニンは細胞老化を防ぎ、細胞の修復という重要な役割を担っています。寝スマホをやめるという非常に簡単な行為だけでこういった老化予防につながるホルモンの分泌を促すことができるのです。
目の酷使によるストレスを軽減
スマホによって目にかかる負担は非常に大きなものとなっています。
昨今スマホの利用が拡大するにつれて視力の低下を懸念する声が上がっているように、スマホは目にかなり大きな影響を与えるツールなのです。
そしてスマホによる目の酷使はストレス要因になり、全身の血行不良を招きます。
当然ながら頭皮の血行も悪化させることになり、白髪にもつながっていくでしょう。
寝スマホは、こうした影響を知らず知らずのうちに受けてしまうため、白髪の予防対策のためにもやめるようにしましょう。
まとめ
寝ている間に分泌されるホルモンや、睡眠中になされているさまざまな修復作業は、健康や美容だけでなく、頭皮や髪の毛のエイジングサインである白髪にも深く関係しているといえるでしょう。
いつまでも若々しい艶やかな黒髪を維持していきたいのであれば、睡眠時間を十分に確保すること、そしてその睡眠の質も見直してみることが大切だといえるでしょう。
ちょっとした習慣を変えるだけでも、白髪が改善する可能性があるので、普段の生活に取り入れることができる簡単な睡眠改善方法から白髪予防を実践してみてください。
吉川みさと
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